答えは単純と言えば単純だ。大学である以上、もちろん学問をするところである。ただ、その「学び」の方法が、通学の大学とは異なる。通学の場合、教室で教員の講義を受けることは必須である。90分1コマの授業を、春季・秋季に15週ずつ受け、各期末の定期試験を経て、単位認定となる。認定される単位は、半期で2単位、通年で4単位だ。130単位くらい集めると卒業になる。
通信の場合、このような座学は必須ではない。講義はレポートかスクーリングに代替される。レポートであれば、担当教員が指示した課題に基づき、2単位=2本、4単位=4本のレポートを、それぞれ2000~3000字前後の分量で書く。スクーリングは、夏季休暇や冬季休暇に開かれる通信生用の対面授業のことで、2単位=15コマ、4単位=30コマの授業を、何日間かに詰め込み、「集中講義」のかたちで受ける。そして、レポートかスクーリングをパスしたら、定期試験を受け、単位を得る。試験は、通学の場合と同様、筆記試験とレポートの両タイプある。教員次第だ(以上、すべて東洋大の場合。大学によって多少相違はある)。
よく通信制の大学は「誰でも入れるが卒業するのが難しい」と言われる。通信も通学も両方経験した私が思うのは、通信は、勉強の内容そのものが難しいわけではないけれど、とにかく孤独な学習スタイルであるということだ。通学の場合、とりあえず授業に出ていれば、試験前、教員が試験の範囲を教えてくれたりして、なんとなく単位が取れるものである。しかし通信生にそういった温情は働かない。各自が意識的にならないと単位は取れない。また、学友と恋をしたり、サークルに打ち込んだりという、ザ・青春的なキャンパスライフとも無縁である。その代り(?)、学費は年間10万円ほどと、安い。孤独に耐性があり、大学に青春的なものを求めていない貧乏人には、向いているかもしれない。
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東洋大は1964年に通信教育課程を開設 |
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